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2010年6月 1日

日曜ひろば:「若年性認知症の人と家族の会」代表・中村利徳さん /石川

◇苦労や悩み語り合おう--中村利徳さん(63)

 ◇支え合い、つらさを共有

 全国で約4万人いるという若年性認知症患者。介護疲れによる事件や、徘徊(はいかい)による事故などが多発する中、昨年5月、かほく市などの患者や家族らが「若年性認知症の人と家族の会」を設立した。中村利徳代表(63)=津幡町=は、お互いに苦労や悩みを語り合い、つらさを共有することが大事と会の意義を話している。【宮本翔平】

 ◆01年10月、妻が発病した。50歳。行動が「おかしい」とは感じたが、若年性認知症とは思いもよらなかった。

 炊飯器のタイマーをセットするときなど、家事や仕事をしていて動きが止まるようになりました。頭の中で時間の計算ができなかったようです。症状はひどくなっていきました。年齢的に更年期障害かと思い、一緒にかかりつけの病院に行くと、結果は若年性認知症。どう生活していけばいいか分からないほどショックでした。

◆通院先の医師から、県内に若年性認知症の家族会がないことを知らされ、設立を勧められた。最初は何度も断った。

 最初は周りの人に知られたくないと考えていました。ある時、徘徊(はいかい)して隣町まで行ってしまった妻を、知人が見つけてくれ、家に送ってくれたことがありました。路肩の溝にはまって動けなくなっていたところを助けてもらったことも。地域の見守りは不可欠だと考え方が変わりました。

 ◆会は昨年5月18日に発足。現在、若年性認知症患者4人と、患者の家族、病気や介護について学びたいという約30人が所属。1、2カ月に1回、勉強会や、福祉施設の見学会などを開いている。

 認知症について学ぶことは役立ちますが、互いに苦労や悩みを打ち明け、つらさを共有できることが一番です。私自身、一人で背負っていたころは精神的に追い込まれていましたが、会で自分の話を聞いてもらうことで気が楽になったんです。

 妻はもう寝たきりで言葉を交わすこともありません。悲しいですが、半面、発症して10年、よく頑張って生きてくれたと思えるようにもなりました。

 会の活動をより多くの人に知ってもらうため、医療・介護の現場で紹介していくつもりです。今後も多くの人が支え合い、相談できる環境作りをしていきたいです。

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 ■人物略歴

 ◇なかむら・としのり

 1947年、津幡町生まれ。会社勤めの後、父親が起業した繊維会社「中村合撚」に転職。現在社長。

転載:毎日新聞


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